夕べは不思議な夜だった。

午後7時、病院の付き添いから帰ってきて
家で一人シャワーを浴びビールを飲んでいた。
そしてぼちぼち上の子供たちを預けている実家に行こうと
準備していたところに電話、高田さんからだ。

池下のライブハウスCHOU CULBにいるらしい。
そこでは今度10月に地下生活者の青木タカオさんと
僕はジョイントライブをやることになっている。
高田さんはそのライブの主催者だ。

そして夕べは谷口"マルタ"正明のライブの日。
東京から店についたマルタくん(って35才だけど)
店に置いてある僕たちの10月のライブのチラシを見て
マスターに「もしかしたらこの人知ってるかも」とか言ったらしい。
やがてマスターとのやり取りの後、高校の時の友人であることが判明。

その話を聞いて、
たまたま聞きに来ていた高田さんがわざわざ電話をくれたわけだ。

谷口正明、いたいた。友人である。

僕は長久手高校、彼は旭野高校。
僕の小学校からの幼なじみで尾関という友人がまた旭野高校で
よく3人で得体のしれない市民団体の会合や芝居やライブに出かけた。
僕はその頃から国内外のフォークソングを歌っていた。

高校卒業後、彼は東京へ僕は四国へ尾関は名古屋に残って
ばらばらになったけど
夏休みに帰省したときに数回会った。
その頃は彼は演劇の世界に足をつっこんでいた。
バンドも始めたとかいってエスケンさんのテープとかもらった覚えがある。
その後彼の実家は静岡のほうに引っ越してしまい
今に至るまでまったくの音信不通。
15年前の話である。

その彼がCHOU CLUBでライブをやるらしい。
なにかが僕を呼んでいる。これは行ってみよう。
尾関に電話したが残念不在。
車を飛ばして池下へ、開演予定時間の7時30分を10分ぐらい過ぎて到着。
彼はステージでチューニングしていた。

本当にあの正明だった。

入り口で紙コップの泡盛をもらい席に着くと始まる。
客席はほぼ満席、8割が女性、ほう。

ニューヨーカーモデルのギターをピックを使わないスタイルの弾き語り。
歌詞もボーカルもすごくいい。
ロックしてる。
ロックを生き方に選んだ15年前のともだちは僕がここに居ることをまだ知らない。
ロックしてる。
そしてミュージシャンとして僕の心と体を揺さぶってくれた。

歌の合間の言葉では彼は東京でバンドもやっている。
Phnonpenh MODELというバンドでは今年ヨーロッパツアーに行ったらしい。
echo-U-niteというバンドではアコースティックもやっているらしい。
インターネットのサイトもあるらしい。

ライブが終わって声をかける。
話題はつきない。
僕もあのチラシのとおり名古屋で歌っている。
その事を話すと聞かせろという。
彼のギターを借りて2曲ほどやらせてもらう。
自分の近況はこれです。なるほど語るより早い。
15年という時間を歌が埋めていく感じがする。

その後、彼はまだホテルを取っていないという。
それならうちに泊まればいいということになった。
マスターと高田さんに礼を言ってCHOU CULBを後にする。
ついでに再び尾関に電話、今度は居るので迎えにいくことにする。

途中、尾関を乗せ、コンビニで買い物をしてわが家へ帰る。
尾関もジャズバンドでトロンボーンを吹き続けている。
尾関の家とわが家は歩いて5分くらいの距離だが
今は1年に数回しか会わない。

あの頃からへんな奴だったけど15年たってもやっぱりへんな奴と
お互いに思っている3人が今ここでこうして集まった。

なにかの招待を受けたみたいだ。

音楽とか表現とかは続けなければいけない。
死ぬまで表現し続けること。
続けていけば、ときにはこんな夜もある。
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